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議会での質問等

2011年3月10日

平成22年度鎌倉市一般会計補正予算の修正について

岡本2丁目4番先道路に係る原状回復工事の実施に対する議会の修正提案について小田嶋議員が賛成討論

ただいま議題となりました、議案第84号、平成22年度鎌倉市一般会計補正予算に対する修正案について意見を申し上げます。本議案は、岡本2丁目4番先道路に係る原状回復工事の実施にあたって補正予算に計上された詳細設計委託料740万円の減額修正と、それに関わる繰越明許費の設定を削除する内容であります。

市議会は、岡本2丁目マンション開発問題について、平成17年12月の県開発審査会における開発許可取り消し裁決を受け、開発事業によって改変された市有地岡本2丁目260-2番地及び市道053-101号線の原状回復の措置を速やかに講じ、適切な維持管理に努めることを求める決議を可決し、その後も数多くの陳情や決議を採択・可決してきましたが、工事が中断して以降、すでに5年余りが経過しています。

高裁判決が確定したことにより、マンション開発の是非については決着

一昨年に松尾新市長が誕生し、補助参加を取りやめた後、高裁判決が確定したことにより、マンション開発の是非については一定の決着がつきました。同時に、残された「あの状態」をどうするのか、現実的な問題解決に向けて市の方針の再構築が求められ、昨年6月、市長は全員協議会において解決に向けた「4つの方針」を示しました。その後、4つのなかで、これまで再三求めてきた市有地260-2の道路区域への編入を元に戻す措置はようやく行われました。

しかし、もっとも急がれていた市道053-101号線の階段は依然として崩されたまま、現在まで復旧できていない状態が続いています。この間、近隣住民の皆さんには多大な迷惑をかけていることは明らかであり、こうした事態を早期に解決しなければならないことは誰もが認識しているところだと思います。

そうしたなかで、今回の補正予算計上になったわけですが、本当に今の市の考え方、市長の路線で行って問題解決が図れるでしょうか。この5年余りの歳月の流れのなかから問題解決のための教訓を引き出しているのでしょうか。

いま、市として進むべき道を間違えれば、さらに長期にわたって問題が解決されない状況が率直にいって懸念されます。一刻も早く階段道路を復旧してほしい、という思いは私たちも全く同感ですが、ではなぜ5年も現実に着手できていないのか。問題解決への展望は一体どこにあるのか、この時点で冷静に考える必要があると思います。

関係者は市と近隣住民の皆さんとともに、隣接土地所有者の三者であること 

今回の補正予算に係る委員会審議のなかでは、実際、今回の方向性で工事着工が現実にできるという見通しをもった答弁はなぜか一つもありませんでした。平成19年2月議会で補正予算を議決して以降、毎年2000万円の階段復旧工事に係る予算を計上してきましたが、復旧のあり方などについて合意形成が難航したことにより着手できないで今日に至っています。では、今の時点で合意形成が本当にできているのでしょうか。

たしかに、近隣住民の皆さんと一定の合意に至ったことは良かったと思います。同時に、関係者は市と近隣住民の皆さんとともに、隣接土地所有者の三者であります。そして、この問題を本当に解決するためには、階段道路さえ復旧できればよいというものではなく、「あの土地」の安全対策を行い、さらに「あの土地」を最終的にどうしていくのか。これらの全体について解決の見通しをつけてこそ、問題解決への展望が開かれると思います。

逆にいえば、階段道路の機能回復の課題だけでなく、事業区域内の安全対策を講じる課題、今後の土地利用の課題については市が土地を所有していない以上、現実として土地所有者との関わりを抜きに話を進めるわけにはいきません。すでに開発の是非については事実上、白黒がついた現段階において、事業区域内の安全対策を講じる課題と今後の土地利用の課題の見通しがないまま、階段道路の復旧を行おうとすること事体、工事の内容次第では重大な利害が生じる土地所有者との関係に決定的な亀裂が生じ、階段道路の復旧そのものにも重大な障害をつくりだすことになるのではないでしょうか。

 総合的に解決の方向性や道筋をつけ、そのうえで道路復旧など一つ一つの課題に着手していくこと

この5年間の努力や模索から得るべき最大の教訓は、階段市道の復旧と土地の安全対策、今後の土地利用の課題について、総合的に解決の方向性や道筋をつけ、そのうえで道路復旧など一つ一つの課題に着手していくことだと私たちは考えます。

その点、現在の市長の方針は、階段道路の復旧と土地の安全対策を講じる見通しが立ったうえで、土地利用の課題に取り組む考えですが、この3つは事実として切り離せない利害関係にあるからこそ、残念ながら5年間、解決の道筋をつくることができていないのではないでしょうか。

道路復旧にあたって本当に隣接土地所有者との合意を抜きに工事に着手できるでしょうか。何らかの道路復旧をしたとしても、残る二つの課題を解決していくうえで復旧した道路が本当に影響を及ぼさないでしょうか。

今後の玉縄地域のまちづくりを展望した根本的な解決を図るために、道路復旧と土地の安全対策、土地利用の課題を切り離さず、総合的な視点をもって、近隣住民の皆さんは勿論のこと、全ての課題に利害関係を有する土地所有者とも本格的な協議を行うべきです。また、そうしてこそ、階段道路を復旧する現実的な展望が開かれ、同時に、その他の課題の解決の道筋も開けてくると確信するものです。

目先の対応ではない見通しを持った「戦略」がどうしても必要

すでに5年以上も経過している問題です。早期の道路復旧をしてもらいたいという近隣住民の皆さんの思い、また、「あの状態」に心を痛め、市に何とかしてもらいたいと願っている市民の思いに応えるためにも、目先の対応ではない「戦略」がどうしても必要です。今回の詳細設計委託料740万円の補正計上は、残念ながら解決に向けた道筋をつける「戦略」に沿ったものではなく、逆に、場合によっては問題をいっそう困難にする可能性も否定できないことから、本修正議案に賛成するものであります。

今の段階で市民・住民の願いに本当に応えるためには、どういう手を打つべきか、先々の見通しも見据え、真剣に考えていただきたいことを最後に申し上げて、討論を終わります。

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