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2021年3月22日

ワクチン接種のため65歳以上の市民全員にタクシー助成で2億5千万円!

高野議員がタクシー助成の予算削除を求める修正提案も僅差で否決され、原案可決に

●令和2年度鎌倉市一般会計補正予算・修正提案(総務常任委員会・高野洋一)

議案第137号令和2年度鎌倉市一般会計補正予算(第13号)について、修正をおこなう必要があることから提案理由の説明をいたします。

修正案の内容は、歳出において、第20款衛生費第5項保健衛生費に計上されている新型コロナウイルスワクチンの予防接種事業に係る経費のうち、タクシー助成にかかる経費2億5千4百18万1千円を減額しようとするものです。一方、それに伴い、歳入において第75款繰入金第5項基金繰入金を3千8百59万4千円減額し、あわせて当該経費に係る繰越明許費補正の金額を修正しようとするものであります。

ワクチン接種については、生命や健康を損なうリスクの軽減など新型コロナウイルス収束への有力な手段として、一定の期待がある一方、不安の声も少なくありません。特にワクチンの安全性や有効性、副反応などのリスクについて必要な情報をきちんと市民に明らかにすることが大切であり、そのことを国に求めつつ、市としても丁寧な対応を行っていく必要があります。

言うまでもなくワクチン接種は国としての取り組みであり、その費用は全額、国の負担でおこなうべき性格の事業です。ワクチン接種のためのタクシー助成として市が独自財源を拠出し、億単位の財政調整基金を取り崩すことは、コロナ禍による現在の財政状況からみても無理がある判断ではないでしょうか。

今回、65歳以上の市民全員を対象にして、全世帯にワクチン接種券とともに、ご自宅と接種会場の往復分のタクシー券を送付する市独自の取り組みは、国からの補助対象外であり、国が求めている取り組みから外れています。市として65歳以上の全世帯にタクシー券を送付してまでワクチン接種を推奨する根拠はどこにあるのでしょうか。あくまで国が求める取り組みについて、国庫補助により、きちんと実施することが自治体に課せられた責任であるはずです。市の独自財源を約2億5千万円も投入して、補助対象でもなく国から求められていないタクシー助成の取り組みを実施すべきではありません。

ワクチン接種は、あくまで接種を受ける方の同意がある場合に限り行うこととされており、接種を受ける方には、接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただくと市も説明しています。そのことからも、65歳以上の市民全員にタクシー助成を実施しようとする市の姿勢には無理があり、市の説明とも矛盾するものと言わなければなりません。仮に、接種を受けたい方で、市として何らかの支援が必要と考えられる場合には、個別に丁寧な対応を行うとともに、福祉施策における対応をはかることなど、別途検討すべきではないでしょうか。

地方自治法第2条第14項には、「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」と規定されています。このことからも、新型コロナウイルス感染症のワクチンの接種に係る経費のうち、国の補助対象外であるタクシー助成の経費を認めることはできないことから修正案を提案するものであります。

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