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議会での質問等

2012年7月3日

鎌倉市議会の議員定数についての見解

6月議会が終わり、相談対応や政党の仕事などに追われている日々ですが、首相官邸を20万人もの人々が取り囲むという出来事には衝撃を受けました。いま、ゆっくりと静かにですが、若い世代を含めて「このままではダメだ」とマグマが動き出しているように思います。

そうしたなかで、国民・市民の政治不信は強く、今議会にも議員定数削減を求める市民からの陳情が提出され、これまでに提出されていた2つの陳情とあわせて審査し、結果は不採択となりました。民主主義の基本に関わる問題ですので、議員団の見解を紹介します。

陳情に対する討論の全文(高野議員)

「陳情第9号、平成22年度陳情第15号及び第44号の議員定数に関わる陳情について、日本共産党鎌倉市議団を代表し、一括して意見を申し上げます。

1.市議会の役割との関係から

議員定数の問題をめぐっては、そもそも住民自治の実現が、市民による地方議員の直接選挙と議員の議会活動における住民意思の反映の両面によって保障されるものであることを確認しておきたいと思います。間接民主主義において市民代表である議員の存在は、市民と行政を結ぶ最も身近なパイプであることを十分に認識する必要があります。

そうしたうえで、いま鎌倉市議会に求められていることは、政策立案面や行政機関への監視機能を強化すること、また、議会として市民への情報提供や市民と意見交換する場をもつなど、総じて議会の機能を抜本的に高めることではないでしょうか。

2.行財政改革との関係から

次に、市民の中からは、行財政改革の観点から議員定数を削減すべきという声が広くあるなかで、当然のことながら行政経費の無駄を改め効率的な市政をつくることは重要な課題です。

しかし、議員定数については単純に直結させて考えるべきではありません。先ほども述べたように、議員は行政機構を監視するという重要な役割を担っています。たしかに、議員数の削減により一定の経費節減にはなりますが、議会費は一般会計予算の0.9%に過ぎませんので、そうした視点だけでは、市政への住民意思の反映や行政機構への批判・監視機能を強めるという議会制民主主義にとって肝心な点が抜け落ちてしまいます。

結局のところ、行政機関をきちんと監視・チェックする議会の機能が担保されなければ、予算など行政の問題点を明らかにし、市民にとって適正な行政を確保するという本質的な面で、逆に主権者である市民自身がマイナスの影響を受けかねません。

議会活動が市民に見えづらい、議会活動への評価が低いなどの要因が、議員定数削減の声につながっているならば、まず行うべきは定数削減でなく、市民に対して議会の機能強化を行うことが、市民の批判に応えた前向きの取り組みであると考えるものです。

3.人口との関係から

次に、人口との関係ですが、人口比だけで適正な議員数は決められません。地域事情や面積、市民ニーズとの関係、財政などの要素を総合的に捉えて、各自治体によって定めるべき問題であり、単純に人口1万人に一人の議員であるとか、近隣市より人口比で定数が何人多いから減らす、いった考え方は必ずしも適切ではないと考えるものです。

以上、3点にわたって述べましたが、議員定数の問題は、一律の客観的な基準があるわけではなく、各自治体の事情に即して条例で規定すべき性格の問題であり、将来的には、自治体の在り方や人口の推移、市民ニーズの変化や財政状況などにより、現定数を変える必要が生じる可能性は十分にあると考えられます。

しかし、現時点においては、質量ともに議会の機能を抜本的に高めることが求められていること、市民ニーズが多様化するなかで市政と市民をつなぐパイプを強めていくことが求められていること、そうした観点も含めて、現在、議会運営委員会において、議会基本条例の制定を視野に入れた詰めの議論を行っている状況であることから、当面は、現定数を維持し、市民代表機関としての機能強化を図っていくことが最も重要であると考えるものです。

また、行財政改革の観点や人口動向の面からみても、定数減による経費削減よりも、議会の機能を高めて、行政機構の無駄や不効率な面を追究していくことが、より効果的であると考えます。

最後になりますが、地方分権や社会の成熟化により、地方議会の果たす役割は今まで以上に重要になっており、市民活動が活発な鎌倉市においても例外ではありません。市議会の役割について市民の理解を得ていくためにも、今後さらに議会活動の活性化に努めていくことが必要不可欠であることを申し述べて討論を終わります。」

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