日本共産党 鎌倉市議団  
Contents
HOME
議員団紹介
トピックス
議会報告
政策・見解
お知らせ
ご意見・ご要望
リンク
しんぶん赤旗申し込み
サイト内検索 AND OR

トピックス

<< 「トピックス」の目次に戻る印刷用画面 >>

「偽装請負」と格差社会(06.10.06)

偽装請負で初の事業停止命令だされる

 先日、厚生労働省は、偽装請負による初めての業務停止命令・事業改善命令を出しました。業務停止となったのは、国内最大級の人材派遣会社「クリスタル」グループの中核企業で製造請負大手の「コラボレート」(本社:大阪市)です。実態は、労働者派遣なのに請負契約を装って、「構内請負」の形で労働者を派遣先会社の工場に送り込んでいたというものです。派遣先会社は、労働局からの是正指導を受け、「偽装請負」の労働者を自社の契約社員にして、偽装請負を解消するとのことです。

 そもそも、製造の請負委託は、請負企業が責任をもって当該製品を完成させ、請負委託した企業に製品を引き渡すのが正当な形となります。そこでは、製品製造に係る請負労働者への指示・指導も当然、請負企業が責任を負うことになります。
 ところが、請負委託をした企業が自社の社員に対するように、請負労働者に直接指示する実態があると、それは労働者派遣であるため請負委託ではなく、労働者派遣法違反になるということです。

偽装請負は格差社会の拡大を反映している

 労働者派遣では、労働者派遣法が適用されます。この場合、同一職場で派遣労働者が一定期間(来年3月からは3年間)働けば、労働者に直接指示をする派遣先企業に雇用責任義務が生じます。それを逃れるために、本当は派遣労働であり、派遣先企業が労働者に直接指示をしているにも関わらず、派遣を「偽装」して「請負」委託の形をとる企業が相当数にのぼっているということです。
 
 つまり、企業の人件費削減のため、雇用責任が生じない「偽装請負」という手法を用いたということであり、これが無権利で低賃金の「使い捨て」労働者を生み出す温床になっているということです。
 偽装請負の状態では、使用者責任が曖昧になり(形式的には請負受託企業が労働者への指示・命令等の責任を負っているため)、労働災害や社会保険加入などの責任からも逃れることが可能になります。いま大問題になっている社会的格差を拡大させている主な原因の一つに、まさしく「偽装請負」があるといっても過言ではありません。

製造管理の責任を委託・請負会社が担わなければ「偽装請負」になる

 厚生労働省は、9月4日に偽装請負を是正するための通達を出し、労働者派遣を装って請負委託の就労形態をとる「偽装請負」が「職業安定法及び労働者派遣法に抵触する違法行為である」とし、事業主への行政処分や指導監督を強化する方針を示しています。
 今回の命令は、その具体的な動きの表れですが、いま蔓延している「偽装請負」の氷山の一角に過ぎません。安上がりの非正規労働者を増やして、正規労働者を減らす、それが目先のコストダウンになるから良いといった考え方、そうした国・自治体の政策を根本から改めることが必要です。人間が人間らしく働ける労働環境・ルールをつくってこそ、まともな経済社会をつくることができるのだと思います。

 最後にもう一つ、重要なことは、職業安定法第44条により、請負委託に係る業務内容の指示などの管理は、請負会社自身が行わなければならないという点です。いま公共・民間問わず、業務の「委託・請負」が広がっていますが、完成品をつくる全ての過程の管理責任を委託・請負会社が担わなければ「偽装請負」になるということです。逆に言えば、委託・請負会社自身が業務内容の指示を十分にできない業務であるならば、その業務の目的・性格からいって「委託・請負」には全くなじまないということになります。(高野)

<< 「トピックス」の目次に戻る印刷用画面 >>