日本共産党鎌倉市議団

活動日誌・高野洋一

2010 年 3 月 2 日

代表質問の続き(経済振興・景観・みどり・世界遺産・ごみ・教育など)

代表質問の続きを掲載します。

○経済振興・地元経済支援について

  次に、経済振興・地元経済への支援について伺います。市長は、これからの市政を展望して持続可能な市政運営を進めていく、としていますが、何よりも市民生活と地元経済が持続可能になるよう最大限支援していくのが、自治体として市政の大きな役割のはずです。景気・経済状況が悪いから、それに伴って財政規模を縮減し全体的に予算をカットする、これでは自治体が本来はたすべき役割からいって本末転倒になると思います。そこで、いかに地元経済を支援していくか、苦しいときだからこそ市が積極的に経済振興策を打ち出していくべきであり、そうした観点から何点か提案するものです。

 経済振興の軸は、何よりも市内の中小企業・業者への支援であり、市として中小企業支援事業を来年度も継続して実施することは評価するものですが、さらに本腰を入れた取り組みが必要です。例えば、鎌倉市は現在、小規模修繕契約希望者登録制度を設けていますが、実際上、どれだけ活用しているでしょうか。いま、市内の中小業者の皆さんは仕事がなくて本当に困っています。そうした時だからこそ、この制度を全庁的に重視して本腰を入れて活用していく必要があります。中小業者の皆さんにとっては小規模のわずかな金額の事業であっても本当に助かると思います。公共施設を受け持っている部局を中心に、今後、教育委員会も含め、これまでの付き合いや慣習で取引相手を決めるのではなく、今こそ、市内業者の支援につながる制度を全庁的かつ日常的に活用し、制度の活用状況をきちんとチェックすべきと考えますが、見解を伺います。

  さらに、市が行う工事や委託に関わる入札制度について、効率性だけでなく、市内の経済振興にも配慮したものになるよう改善が必要 です。この点で現在、試行されている総合評価方式を本格的に導入し、価格面だけでなく、地元雇用への貢献度など業務の質も適切に評価して、公共工事の実施が地元経済の振興にもつながるような工夫が重要です。また、工事の分離分割発注を積極的に行い、市内中小業者の仕事を増やす工夫も重視して行うべきと考えますが、見解を伺います。

  入札については、特に近年、入札価格の下落、低入札が進んでいます。一見、安ければ安いほど良いと思いがちですが、低入札のつけが結局、下請け業者の代金や現場で働く労働者の賃金低下を招いているという重大問題があります。市は、目先の歳出削減のため、毎年のように対前年度比何%削減という形で予算を切りつめた結果、結局は委託業者にしわよせがされ、最低限の利益も確保できない事態が生まれています。これでは、地元経済の発展は全く見込めず、本質的な意味での財政改善にもつながりません。本来、市民や中小業者の生活や営業が良くなってこそ、市の財政の中長期的な改善にもつながっていくはずです。そうした意味で、過度なダンピング競争に歯止めをかけ、委託等について適切な最低制限価格を設定するルールづくりが必要です。この点で、全国で最初に公契約条例を制定した野田市の取り組みにも学んで、委託等の価格は低いほど良いという考え方ではなく、経済効果にも配慮した価格設定のルールづくりに本格的にとりくむべきと考えますが、見解を伺います。

  経済振興に直接貢献する新たな制度づくりという点では、以前から提案している住宅リフォーム助成制度の創設に今こそ取り組むべき ではないでしょうか。秋田県では3月から「住宅リフォーム緊急支援事業」として、住宅リフォーム工事費の10%補助、上限額20万円で、2年間の事業実施を決めました。鎌倉市では現在、古い木造住宅を対象に耐震改修工事への助成事業を実施していますが、対象を住宅全般に広げ、生活の基盤である住宅の改善を促進することは、古民家の多い鎌倉の住宅政策としても、また、市内経済の振興という点でも大きな効果が期待できます。この間、全国の市町村で導入自治体が増えており、経済効果が助成額の十倍から数十倍に及ぶなど、高い経済波及効果が確認されています。ぜひ、住宅政策としての視点と経済振興策の両面から、制度の創設に前向きに取り組んでいただきたいと考えますが、見解を伺います。

○労働費・勤労者住宅利子補給制度

  次に、勤労者住宅利子補給制度について伺います。労働費は49,2%の減額で、予算にしめる割合は0,3%しかありません。

 鎌倉市では唯一の勤労者の住宅取得支援として住宅利子補給が昭和52年から行われていましたが、今回、利用者が少ない等の理由で休止すると提案されました。鎌倉市では家族が増え、少し大きな部屋を借りるとなると10万円前後の家賃がかかるため、他市と比べ、家賃や住宅購入費が高い実態があります。こうしたことから、相対的に安い他市へ引っ越しを考える市民も多数います。また、職員のなかにも率直なところ、鎌倉市内に住むのは経済的に大変という方が少なからずいると思います。

 今回、勤労者の住宅利子補給制度について、唐突になぜ住宅利子補給を休止するのか。若年ファミリー層の定住促進のためにも、市独自の住宅取得支援策の検討が必要であると思います。少なくとも、現在行っている住宅利子補給制度を実施しながら、より使いやすい制度への改善こそ、取り組むべきと思いますが、見解を伺います。

○景観行政

次に、景観行政に関連して伺います。

鎌倉らしさを感じさせるものとして、自然の中にたたずむ神社、仏閣の他に、戦前に建てられた建築物をあげることができます。姿を消しつつある洋風建築物の保存をめざして平成2年に要綱を制定し、その後、景観条例の中で景観重要建築物の制度を設け、現在31件の近代建築物及び工作物が指定されていますが、こうした建築物を保存していくことは所有者にとって経済的な負担が大きいために姿を消してしまうことも心配されるところであります。

今後、地域の良好なまちなみ景観に貢献しているこれら建築物を残していけるよう支援施策の充実が求められていると思いますが、いかがでしょうか。

○ みどり保全について

次に、緑の保全に関連して伺います。

昭和30年代後半から高度経済成長による都市化の波は京都、奈良、鎌倉な古都の歴史的風土を襲いました。「昭和の鎌倉攻め」と言われた宅地開発に対する市民の戦いは四半世紀にわたりましたが、なかでも「御谷騒動」として語り伝えられる市民運動は、超党派の議員立法による古都保存法制定の契機となりました。

大手不動産業者が既に取得済みの山林は除外されるなど一定の問題点はあったものの、約695㌶が4条区域に、その内枢要な地区226,5㌶を6条地区として決定をしました。当時としては画期的なことでありました。

このような市政全体を揺るがす緑地保全をめぐる市民と行政、議会の取り組みは平成8年の緑の基本計画に集約され、その基本的方針に沿って三大緑地の保全をはじめとする大きな成果に結びついてきました。

最近、古都区域を含む中小の開発計画が市内各所におこっていますが、今回、緑の基本計画・第三次の見直し作業に取り組むにあたり、これまでの成果にたって、これから先、緑行政に求められている解決すべき課題は何と考えているのか。その基本点について伺いたいと思います。

 また、以下の点についても見解を伺いたいと思います。

第一に、古都地域は数度の拡大を経て、約1000㌶になっており、そのうち、約58%が特別保存地区になっています。約6割の骨格となる緑の保全が確実に図られていますが、残る4割は土地利用が可能な状態になっています。

しかし、4条区域には保存すべき貴重な樹林が多く残されており、6条地区への格上げについて、対象となる範囲の考え方も含め、より積極的に取り組むことが重要であると考えますが、いかがでしょうか。

 第二に、古都区域を囲むような位置で十二所や今泉地域一体が指定されている広大な近郊緑地の重要性です。担当者の努力もあり、37年ぶりに広町緑地より広い規模で指定拡大が行われましたが、これはいわゆる普通地区、古都法でいう4条区域で、保全を確実なものにするには、特別保全地区への格上げが必要ですが、この取り組みはどこまで進んでいるのでしょうか。

 第三に、最近は身近な緑の保全が課題になっています。相続等経済的理由で手放さざるを得ない場合などに対応し、保全に協力していただくための誘導策として都市緑地法による市民緑地制度がスタートしたことは喜ばしいことです。

この制度と本市独自の緑地保全施策等を組み合わせるなど、積極的に土地所有者への啓発活動をすすめることにより、成果を期待するものですが、いかがでしょうか。景観保全の観点と一体となった意欲的な取り組みを期待したいと思います。

  次に、昨年6月頃から、鎌倉山の笛田運動公園に隣接し、夫婦池公園の方角に向かって、かなりの勾配の斜面地樹木が伐採され、すっかり丸裸に近い状態になってしまいました。現在も、ブルトーザーが入るなど、土砂の切り崩しや整地などの工事が進んでいます。

 工事現場近くの一角に立てられた看板には、「鎌倉山パーク完成イメージパース」と称する、かなりラフな絵が掲示されており、これは近隣住民の要望によってつくることになりましたという趣旨のことが書かれています。

 規模も相当大きな範囲にわたり、急傾斜のため、土砂の崩落や雨水の流出による被害も発生したそうであります。周辺住民は、「この先どうなるのか」と不安な生活を余儀なくされていると聞きます。

 そこで伺いますが、そもそもこの工事は、何をしようとしているのか。住民要望に基づくものとして認識しているのか。聞くところによると、この公園は完成後、市に寄付したいと申し出ているとかも聞きましたが、事実でしょうか。

  また、接道はどうなっているのかを含め、法令上の許可の手続きはどうなっているのでしょうか。

  一昨年話題になった北鎌倉のテニスコート計画の問題が教訓的だと思いますが、建設物を伴わない土地利用のため、都市計画上の開発行為に該当しない計画のようです。

 しかし、周辺のみなさんは「民間業者が本当に公園をつくるのか」「造成が終わった後は、宅地にするのではないか」と心配しています。私たちは、一昨年9月議会で、非建築物系の土地利用に対し、法の不備を条例等で補うことによって、ルールある土地利用となるよう問題提起をしましたが、今後も同様のケースが生じることが予想されます。市として、早期の対応が求められていると考えますが、検討状況について伺いたいと思います。

 ○世界遺産登録について

  次に、世界遺産登録にむけた取り組みは幾多の困難はあったものの、昨年10月5日文化庁長官に対し、「武家の古都・鎌倉」の世界遺産登録にむけた推薦要請が行われたところであります。今後、文化庁がユネスコ世界遺産委員会へ「推薦書」を提出するための作業に入るわけですが、これまでの例と違うのは、推進書の作成を、国と4県市が協働してすすめるとしている点です。この点について、どのように理解すればよいのか、特に、二回開催した国際会議で課題とされた「武家文化の分かりやすい説明」や「山稜部の積極的評価」との指摘を解明し、国際的な理解にまで高めるための努力は大変なことだと思いますが、これらの認識について伺いたいと思います。

  国際会議では、さらに遺産保護についての市民の役割についても強調されました。 この点では、市民による登録推進協議会が行政と一体となって貴重な取り組みを行っています。まさに、登録にむけた取り組みの最終コーナーにさしかかっている今、市民意識のさらなる高まりをどう作り出して行くか。さらには、登録が実現したなら、これら遺産の保護とあわせ、まち全体の歴史的な都市景観の保全という課題に取り組む重要性を考えれば、ここ数年間の市民、行政と一体となった取組みの上で、推進協議会の役割は非常に大きなものがあります。そう考えたときに、推進協議会への活動支援が昨年度の600万円に対して、新年度は半分の300万円に減額されていますが、どのように理解すればよいのでしょうか。明快な答弁を求めます。

  昨年、中央公民館に世界遺産広報コーナーが開設されました。好評と伺っていますが、広報・啓発という目的に照らせば、施設の面での制約が多く、必ずしも効果的とはいえません。例えば実施計画で、御成小旧講堂の活用が位置づけられていますが、時期は明示されていません。早期に取組みを開始すべき重要な課題だと思いますが、数億円が見込まれるなか、財政的に容易でないことも理解するものです。ならば、このたび寄贈を受けた、前田邸の暫定的活用も是非検討されてはどうかと思いますが、いかがですか。

 世界遺産登録をめざす事業は、国・4県市あげて取り組んでいる大事業であります。しかも最終的段階を迎えつつあるというのに、市長からその意気込みが全く感じられないのは極めて残念であります。鎌倉は4県市の中でも、最も核となる使命を負っていますが、市長にはその自覚があるのでしょうか。「真の鎌倉を創り守る」、これが私の願いですと言っていますが、市長のいう「真の鎌倉」とは一体どういう「まち」の理念なのでしょうか。世界遺産登録は、「真の鎌倉」とは関係ありませんか。明快な答弁を求めるものです。

 ○ごみ問題について

  次に、ごみ行政の取り組みについて、基本姿勢を確認したいと思います。持続可能な市政運営という点では、ごみ行政は、まさに「待ったなし」の状況にあります。市長は、提案説明のなかで、循環型社会の形成をめざし、分別収集・再生利用・発生抑制の促進と、焼却ごみの安定的な処理のため、名越クリーンセンターの延命化計画を述べましたが、肝心な点には触れられませんでした。予算案には、バイオマスエネルギー回収整備事業として、生活環境影響調査等の実施が盛り込まれていますが、市長は現時点において、この事業に対して、どのように考えておられるのでしょうか。

  鎌倉における持続可能なごみ処理行政を構築するためには、焼却ごみを減らして、現在の2施設から1施設でも処理可能な状況を早期につくることが必要不可欠です。逗子市との広域化協議の顛末からも明らかなように、他市頼みというわけにはいきません。まさに自力での取り組みが必要です。そうした意味で、焼却ごみを大幅に減らすには、生ごみの分別・資源化、バイオマス施設の整備を進めること、同時に、それでも残る焼却ごみを安定的に処理するために必要な名越施設の延命化を図ること、この両方を統一的に進めることが求められており、まさに表裏一体の取り組みであるはずです。名越焼却施設の改修は、生ごみ資源化施設の建設・稼働が大前提であり、この両者の関係を抜きにして、名越焼却施設の延命化だけを強調する言明は問題であるといわざるを得ません。この問題に対する、きちんとした認識を示していただきたい。答弁を求めます。

 また、ごみの収集委託についてですが、特に、缶・瓶については、平成17年7月から指名入札方式で委託を行っていたのを、一昨年12月の不祥事を契機に、現在、随意契約で委託しているのはおかしいのではないかと思います。あのような不祥事を起こさせないためにも、正しい教訓を引き出すことが大切です。市内全域を一業者に委託するのではなく、収集区域を分割するなどして地元の中小業者が参入しやすい方式に改めることが必要です。公正な入札方式により業者を選定するよう改めて求めるものですが、見解を伺います。

 ○学校教育について

  最後に、学校教育について伺います。改定された教育基本法に沿って、関連法の改定などが行われたことにより、ただでさえ多忙な教育現場に大きな影響が及ぶことを懸念するところですが、教育は、一人ひとりの子どもの全面的な発達、人格の完成を唯一の目的に行われるべきであって、特定の政治的な目的に従属させるようなことは絶対にあってはならない、これが根本理念であると思います。憲法の平和主義、民主主義の精神に則り、一人ひとりの子どもたちを主人公に、国民の教育権・教育の自由と教育現場での自主性を擁護し、発展させること、この原点を鎌倉の教育においても、いま改めて再認識して臨んでいただきたいと考えますが、教育長の見解を伺います。

 また、教育と政治・行政との関係についても再確認したいと思います。教育は、戦前の反省を踏まえ、特定の政治的な思惑に左右され ずに、直接、子どもと教職員、保護者・国民・市民が協力して行うべきものとされていることはご承知の通りであります。ですから、政治・教育行政は、学校現場の教育内容に権力的に介入してはならない、あくまで、教育現場における自主的なより良い教育が行われるための条件整備・環境整備を目標として行わなければならない、このことが教育と政治・行政の基本的な関係であります。

 このことは教育行政に関連した人事についてもいえることであります。人事権者は、どこからも干渉を受けることなく、教育の目的を遂行するために独立性が担保されなければなりません。人選にあたって、どのような介入も許されない、この基本をきちんと押さえなければなりません。最近、議会の議決事項になっている教育委員の人事案が「どこからともなく」漏れてくる、ある人物と市長が事前協議の密約を交わす、こうした不公正なことはあってはならないと考えますが、市長と教育長の見解を伺います。

 最後の質問です。いま、卒業・進級の時期を前に、保護者の失業・リストラや給料の減少などによる大幅な収入減で、高校の授業料が払えないという家庭が増え、全国的な問題になっています。平成21年度の神奈川県下の全日制高校進学率は、89.7%であり、年々低下しており、経済不況が続く中、経済的理由で高校進学をあきらめたり、中退せざるを得ない深刻な状態が県下でも広がっています。このような事態を受けて厚生労働省は、今年度に限り高校授業料の滞納分を無利子で借りられる特例措置を決定し、12日に都道府県に通知しました。

 新年度の国の予算では、公立高校授業料無償化が図られ、教育の経済的負担の軽減が部分的にでも一歩前進したことは、評価できるものです。同時に、私立高校の生徒については、国が高等学校等就学支援金として、所得区分に応じて一定額を助成するとしていますが、神奈川県内の私立高等学校の平均授業料は東京に次ぐ2番目に高額の約42万円であり、今回の助成措置による公立高校と同じ無償化水準に達するのは生活保護世帯に限定されています。このような公私格差を縮減するための努力が国・自治体に求められています。

 しかし、市の予算案では、鎌倉市がこれまで実施してきた高等学校等生徒の保護者を対象とした奨学金制度を廃止することが提案されております。この制度の目的は、経済的な理由により高等学校等の就学が困難な者の保護者に奨学金を給付し、学習意欲がある生徒の就学する機会が経済的理由のみで閉ざされないようにすることであります。

 よって、私立高校における負担などを考えれば、制度そのものを廃止するのではなく、学費を助成する奨学金制度は維持すべきだと考えますが、教育長の見解を伺います。

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