日本共産党鎌倉市議団

活動日誌・高野洋一

2010 年 3 月 1 日

行政は「福祉の心」を…共産党市議団を代表して代表質問を行いました

予算議会が始まっています。今週は各常任委員会、来週からは予算特別委員会が始まります。私は、2月25日の本会議で、共産党鎌倉市議団を代表して、平成22年度一般会計予算ほか諸議案に対する質問を行いました。市長の基本姿勢を問う内容で、近年のなかでは、かなりコンパクト?な質問だったと思います。市長は、もう少し自分の言葉で語ってほしかったという印象をもちましたが(内容以前に)、以下、質問の全文を二回に分けて掲載します。市長と教育長の答弁は、議会HPのインターネット中継で録画されたものをご参照ください。

○予算編成と行財政改革

 

 市長は、予算編成の基本方針として、「実施計画に登載された事業と市民の暮らしに関わる事業」は「着実な実施を基本」とし、マニフェストの「緊急性の高いものは可能な限り拡充する意気込みで臨んだ」としながら、他方で、「徹底的なムダの排除と不要不急の事業の凍結・廃止を断行し、継続する場合でも見直しを行った」と述べ、そこから捻出した財源を、緊急性の高いものや子育て・教育・福祉などの分野に配分することに努めたとしています。

 しかし、その具体的な説明が全くありません。何をムダとして排除したのか、何を不要・不急のものと判断して凍結、廃止したのか、またその理由は何か。それによっていくらの財源を捻出し、どこにどれだけ配分したのか詳細は全く不明であります。

部分的にしか分かりませんが、鎌倉漁港整備や温水プールなど海浜公園整備にむけての検討、またスポーツ施設や緑地保全等の基金積み立てなどが対象に上がっているようですが、事業見直しにあたっては、基本的な視点を明らかにする責任があるのではないでしょうか。見解を伺います。

 

 少なくとも、実施計画に定められた事業は市民参画のもとで議論の積み重ねがされ、議会での議論も経て決定し、市民に公表されているものであり、今回のように具体的な説明がないまま、一方的にムダ、不要、不急といって、凍結や廃止することを市長としてどう考えているのか。そのような行政運営が本当に民主的であるといえるでしょうか。市長の認識を伺いたいと思います。

 

 一方で、本市の事業計画の中でも多額の支出が予想されている大船駅東口再開発事業については、事業の公共性という面からの再検討が必要であり、深沢地域国鉄跡地整備事業では、新駅設置による土地利用への影響と財政負担の面からの慎重な検討が求められているところでありますが、予算案を見る限り、これらは既定方針のとおり推進されようとしています。

 特に、厳しい財政事情のもと、莫大な市民の税を投資してまで鎌倉市が新駅を誘致する必要性がどこにあるのか、市民にとって十分な効果が期待されるのか、その理由すら未だに明らかにされていません。

財政が厳しいとして、敬老祝品の縮小や市営プールや学校プールの開設計画にまで見直しを行おうとしている中でのことであります。事業のあり方などを見直すのであれば、以上の点もきちんと含めて検討すべきと考えますが、市長の見解を伺いたいと思います。

 

 これに関連して伺いたいのは、先の見通しの上に立って考えた場合、平成22年度の市政運営にあたって最も力を入れて取り組むべき課題は何で、そのために何をやるのか、という市長の基本姿勢が見えないことです。

 後ほど具体的に質問しますが、少なくとも世界遺産登録に向けての諸事業とバイオマス施設関係の都市計画決定の準備など、来年度の取組みが非常に重要な意味をもつことから、本来、市長の口から決意が語られて然るべきと考えますが、全くふれられていないのはどうしたことなのでしょうか。関係予算の計上があるとは言え、本当にやる気があるのかどうかと疑わざるを得ません。市長の明快な答弁を求めるものであります。

 

 明快に決意が語られているのは、平成22年度を「行革元年」と位置づけ、外部に委託して「事業仕分け」を実施すると宣言していることです。市民参加で積み上げて策定した基本計画に基づき、市民要望をベースにした実施事業を市民参画抜きに、民間業者の手に仕分けを委ねるなどは根本的な誤りであることを、厳しく指摘しなければなりません。構想日本21に委託するとなれば、先に新政権が実施した基本的問題と同じような現象が生じることを懸念するものですが、見解を伺います。

 

○自治体の役割と職場体制について

 

 市長は提案説明で、予算編成に当たり、「約束した政策の実現、そしてその先にある鎌倉の未来を創るための礎を築く、非常に重要な年度であると認識」「徹底的なムダの排除と不要不急の事業の凍結・廃止を断行し、継続することとした事業においても内容の精査と見直しを行いました」と述べました。

 しかし、財政状況が厳しいからといって、予算削減ばかりに力点が置かれては、いったい何のための市役所・自治体なのか、その根本が問われかねません。

 いま、市民の暮らしが全体として厳しい状況だからこそ、いかに市民生活と営業を支援していくかが、自治体が果たすべき本来の役割ではないでしょうか。市長は、住民福祉の機関としての地方自治体の役割をどう捉えているのか、今後、どのように発展させようと考えているのか、見解を伺います。

 

  さらに、市長は提案説明で「これからの市政を展望し、持続可能な市政運営を進めていくため、平成22年度は、いわば「行革元年」と位置づける」として、「次期職員数適正化計画や組織の見直しに着手し、人件費の縮減を進める」と述べました。

 職員数の適正化計画については、すでに小泉内閣以来、構造改革の一環として、職員数削減が国から地方に事実上強要されるもとで、前市政は計画年度を前倒しするペースで職員数削減を推進してきました。

 昨年の代表質問で、ある市職員から寄せられた市民アンケートの回答の内容を紹介しましたが、ここで述べていた「正職員が削減され仕事量が増えている、これだけ失業している方が多いのに、現場は人員不足など矛盾しています、ワークシェアを推進し、必要な人員を現場に配置してほしい」という声は、一部のものではありません。問題は、職員体制のことを人件費・コストとしてのみ捉え、社会的雇用として捉えられていないことです。

 職員は市民サービスの担い手・働き手であり、モノではありません。皆さんと同じように血の通った人間です。市民サービスに従事する職員の職場環境を整備することと、市民全体を大切にすることは本来、対立するものではなく、公共部門の雇用や労働条件の悪化は、必ず民間部門にも波及します。

 市役所の職場がおかしくなれば、結局、市民サービスに支障が生じることにもなります。これから5年先、10年先を見据え、いま、市役所の機能が維持・向上できるよう職場体制の再構築を図る時期ではないでしょうか。

 実態として、市民サービスの基幹的業務を担う職員をこれ以上減らして、市の業務体制が今後本当に成り立っていくのか、真剣な検討が必要ではないでしょうか。新たな職員数適正化計画は、慎重のうえにも慎重を期して、口先だけの現場主義でなく、本当に職場をみて回って実態をよく見て判断すべきであると考えますが、市長の見解を伺います。

 

○子育て支援

 

 次に、子育て支援に関連して伺います。女性の社会進出や経済状況の悪化から、いま、生活困窮度や将来不安が増し、子どもを預けて働くために、ますます保育所の必要性が強く求められています。これは全国的傾向であり、特に都市部は顕著であります。保育所は親の就労、子どもの生活と成長を保障する場としてなくてはならない施設ですが、欧米に比べても女性を支える保育などの条件整備がまだまだ遅れているのが現状です。

 本市では、平成19年度と比べ、定員を171名増やしたのもかかわらず、4月の入所申込者は平成21年度533人、22年度610人と年々増え続けており、22年度は2月10日時点で210人が入所できない状態です。来年度から、旧深沢保育園を認可保育園分園として開設することは評価するものですが、いま、公私立の双方とも定員に対する充足率は4月1日時点で、私立で平均111,4%、公立で平均109,0%と詰め込み状態であり、それでもなお210名が入所できないのです。

 厚生労働省は4月から認可保育園の定員を越えて受け入れられる上限を撤廃し、認可保育所を増やすのでなく、さらに詰め込み保育で待機児対策を行おうとしています。子どもたちにとって、実質的に保育の質の引き下げにつながるもので、大きな問題であります。

鎌倉市は、地域の保育水準を向上させるためにも、待機児を解消し、安心して子育てできるようにするため、自治体の公的保育実施責任を果たす上からも、認可施設のさらなる増設を図ることが緊急に求められていると考えますが、市長の見解を伺います。

 

 また、待機児の地域別の現状と市の対策についてですが、特に最近、鎌倉地域における待機児が増えてきています。市内の地域バランスと地域ごとの需要にどう対応していくのか、市の現状認識と対策について伺います。

 

 実施計画事業の岡本保育園新築計画は、フラワーセンター用地土壌汚染のため先送りされたと聞きますが、県に土壌汚染対策の促進を要請し、1日も早い新園建設を行うべきと考えますが市の考えを伺います。

 

 次に、保育料についてですが、厚生労働省は平成22年度の保育所運営費国庫負担金における保育料徴収金基準を改定し、保育単価限度を最高3歳未満児で10万4千円、3歳以上児で10万1千円まで徴収できるとしました。そもそも保育園の運営の8割は人件費であり、抜本的な改善を国が行うべきと考えますが、急激な保護者負担増にならないよう、市として保護者負担の影響に配慮し、保育料の軽減を図る考えはないのか、伺います。

 

 いま、政府・厚生労働省は、財界や規制改革会議などが強く要求してきた直接契約制度の導入、保育所最低基準の緩和・撤廃など保育制度の改変を進めようとしています。これまでの国・自治体が保育の実施、公費負担、水準確保に責任を持ってきた仕組みをなくし、市場原理のもとで営利企業などに保育サービスを競わせようというものです。自治体がきちんと保育に対する責任を果たしてこそ、安心して子どもを預けられる保育制度が確立できると思います。将来に禍根を残す保育制度の改変に反対し、公的保育制度を守り発展させるよう強く求めるものでありますが、見解を伺います。

 

 次に、こどもの家についてうかがいます。保育園の入所が増え続けているのと同様に、こどもの家への入所希望者も増え続けています。定員数を大幅に超えて受け入れているのが実態です。

 市の資料では、こどもの家16施設で、定員655名に対して、入所は平成19年度696人、20年度は799人、21年度は883名、今年は2月16日現在で、入所申し込み数907名と増え続けています。「遊びと生活の場」にふさわしく適正な規模、施設の広さ、設備など、安心して過ごせる環境の整備が求められます。厚生労働省のガイドラインによると1人当たりの保育面積は1,65㎡ですが、鎌倉市の学童保育入所数はガイドラインをオーバーして入所させていないのかどうか、伺います。

 

 小学校区に1か所の子どもの家設置は達成できましたが、さらに子どもの家の増設を検討すべきではないでしょうか。見解を伺います。

 

 第1小学校区は現在、仮の施設として由比ヶ浜青年会館をお借りして運営していますが、議員団は当初、第一小学校敷地内での設置を提案しましたが、その後のこどもの家の検討について伺います。また、学校から遠い4か所の子どもの家の改善状況についての現状認識と取り組みを伺います。

 

 次に、小児医療費無料化制度について伺います。昨年10月から所得制限つきですが小学校6年生まで拡大されたことは多くの保護者から歓迎されています。保護者が不況のなかで厳しい生活を余儀なくされているなか、どの子も等しく、病気の時は安心して医療が受けられるようにしていくことが求められています。医療費無料化制度を国の制度として行うよう求めていくとともに、すでに国が行った財源措置も踏まえ、さらに中学校3年生まで無料化するよう検討を求めますが、見解を伺います。例えば、所得制限つきで行った場合、予算額はどのくらいの見込みになるのか、伺います。

 

○高齢者福祉に関連して

 

 次に、高齢者福祉に関連して伺います。介護保険導入から11年目を迎え、実態として「保険あって介護なし」の状況があることを多くの関係者が指摘しているところであります。

 昨年、介護認定の新方式が実際より軽度に判定される問題点を小池晃参議院議員が国会で明らかにし、希望すれば今まで通りの認定とする経過措置が昨年10月までとられました。介護現場からの報告では、実際より介護度が低くなっていることがいわれていますが、鎌倉市における実態をどのように認識されているのか、伺います。

 

 国は、これまで施設から在宅へと誘導を図ってきましたが、実態は介護保険の範囲だけでは在宅での介護に限界があります。最近の新聞でも、老老介護の深刻な実態や介護疲れから親を手にかけてしまったケース、高齢者虐待などが報道されています。在宅生活を支えるうえでも大切な特別養護老人ホームは来年度に1カ所建設される予定で9カ所になりますが、依然として、特養ホーム待機者は昨年9月時点で609人と深刻です。今後の特養ホームの増設計画について、市としてどのように考えているのか、伺います。

 

 次に、介護療養病床についてですが、1月の参議院予算特別委員会で、長妻大臣は、旧政権が決めた介護療養型病床の廃止方針を継続すると答弁しました。これでは医療の必要性が低いと判断された患者は、介護施設か在宅に移るしかなく、施設が不足しているなか、「大量の医療・介護難民が生まれるのではないか」と関係者から不安の声が広がっています。この問題を市として、どのように受け止めているのか、伺います。

 

 次に、介護を必要とする人に対する市の独自サービスについてですが、施設に入所できない、利用料負担が重く利用を控えている、介護保険の範囲内のサービスでは在宅で1人では暮らせないなどの実態を市はどう認識しているのでしょうか。

市民が地域で安心して暮らし続けられるよう、市の独自での介護支援、利用料減免制度の創設など充実が必要だと思いますが、現状の問題認識と市としてどのように考えているのか、伺います。

 

 次に、敬老祝品事業についてですが、「行革元年」の主な見直し事業として、80歳と90歳が切られてしましました。事業の目的には「長年にわたり社会に貢献した高齢者に対して敬愛の意と長寿を祝す」とあります。戦後を生き抜き、日本を築いていただいた世代である、80歳・90歳を迎えた皆さんに、長生きしてありがとうと感謝の気持ちを削ることが「行革」でしょうか。どのような検討で削ったのか、再検討すべきと考えますが、見解を伺います。

 

 次に、高齢者交通優待制度についてですが、生涯、元気に生き生きと暮らし続けたい、これはみんなの願いです。そこで、交通優待制度の拡充を図ることは高齢者の元気な生活支援という点でも有意義なことではないかと思います。

結果として、医療費や介護の軽減が図られ、長生きして良かったといえるような街づくりに繋がる施策として、ぜひ、年齢の引き下げや補助額の引き上げを検討すべきと考えますが、見解を伺います。

 

 医療法の改正などにより、いま、多くの健康保険運営は大変厳しい現状です。医療費も滞納者も増え、国民健康保険の運営も大変厳しくなっています。一般会計から多くの繰り入れを行ってもなお、保険料率の改定を余儀なくされていると認識しています。国に補助率を上げることを要求するとともに、市民負担の軽減を図るべきではないでしょうか。見解を伺います。

 

 新政権は、公約していた後期高齢者医療制度の廃止を4年後に先送りしました。4月には保険料の改定が行われます。神奈川県広域連合は基金繰り入れにより若干保険料が下がったものの、依然として高い保険料であり、高齢者や家族に重い負担となっています。1日も早い廃止を国に求めるともに、市独自の軽減制度の検討を行うよう求めるものでありますが、見解を伺います。

 

 岩手県の旧沢内村は50年前、老人医療費無料化制度、乳児無料化を全国に先駆けて行い、乳児死亡率ゼロを全国ではじめて達成しました。当時の深沢村長は憲法25条を具現化するため、医療費無料化に難色を示した国や県と何度も交渉し、村議会でも真剣な論議を行い、実施したのです。現在の西和賀町でも「命を大切にする行政」が続けられています。財政は鎌倉の方が豊かです。今こそ「福祉の心」が行政に求められています。市民の健康づくり、命を大事にする市政を市一丸となって取り組むことが必要ではないでしょうか。「行革元年」ではなく「命を守る鎌倉元年」としての取り組みを行っていただきたいと提案しますが、見解を伺います。(続く)

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