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市役所移転問題   もっと丁寧な合意形成を!

住民投票条例案は
11月臨時議会で否決される!

市民から鎌倉市に直接請求された本庁舎整備に関する住民投票条例案は、審査した委員会で高野議員提案の修正案が可決されましたが、11月27日に開催された臨時議会最終本会議で否決となり、住民投票は行われない結果になりました。
条例案は、地方自治法の規定により必要とされている署名を大きく上回る8千2百70人分の署名により請求されたもので、有権者の20人に1人以上が署名されたことになります。そうした市民の意思を最大限に尊重した対応が市議会に求められていただけに、反対した会派・議員の責任は重大です。
住民投票条例案の委員会審査で最新の津波浸水想定図(平成27年3月に神奈川県公表)が明らかになりました。新たな知見によって、市庁舎本庁舎が津波浸水エリアに入っていないことが分かり、今まで市民に説明してきた市役所移転の大義が根底から崩れることになります。
これまでは県の想定を基にして市のハザードマップを作成してきており、平成25年に改定した現在の津波ハザードマップも同様です。なぜ平成28年以降、最新の津波浸水想定図を市庁舎移転の検討で採用しないのか。 市は、県の最新想定図を「リスク管理」と称して採用せず、現在まで平成25年版の古いマップを使って、市庁舎の津波災害リスクを市民に説明してきたのです。

市役所移転の大義が崩れる
重要な問題が明らかに

12月議会でさらに驚きの事実が判明しました。津波浸水想定を市民に配布した最新のマップは「地区別危険箇所マップ(平成28年8月発行)」(下記図)ですが、そこには最新の津波浸水想定図(県公表)に基づく浸水区域が示されているのです。画像の紫色の線が津波浸水エリアですが、改めて確認すると、市役所の本庁舎は間違いなく浸水区域「外」となっています。
平成28年はちょうど市庁舎移転について市が検討していた時期と重なります。市民には県による最新の津波浸水想定図を反映したマップを配布したのに、市庁舎移転の検討は古い浸水想定を使って「津波災害リスクが高い」ことを第一の理由として移転が必要と結論づけたのです。市民をだますようなやり方が許されて良いのでしょうか。

鎌倉市地区別危険個所マップ平成28年8月発行

一度立ち止まって市民とともに再検討を

東日本大震災を受けて制定された「津波防災地域づくりに関する法律」第八条で、「都道府県知事は、…基礎調査の結果を踏まえ、津波浸水想定(津波があった場合に想定される浸水の区域及び水深をいう。…)を設定するものとする。」とされています。県の想定を尊重して市が浸水想定等を更新することは法的にも求められており、それこそが市民の命と安全を守るための「リスク管理」に他ならないと考えます。
移転方針の決定に都合が悪いからといって、古い津波浸水想定を使って移転を合理化する。こんな進め方で本当に鎌倉のまちづくりに責任を負えるのでしょうか。将来に禍根を残さないためにも、最新の想定に基づく防災情報を位置づけ、一度立ち止まって市民とともに再検討するよう今後も強く求めていきます。(2019年1月市民ニュースより)