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おなり子どもの家の整備が不透明な状況に…責任ある対応を

御成小の横にある旧図書館の建物を子どもの家として整備することについて、一般会計補正予算の議案が修正され、子どもの家の実施設計業務予算が削除されました。これにより今後の整備がどうなるのか心配される状況となりました。いま旧図書館を解体して文化財的保護を諦める方針に「再転換」するというなら、行政も議会も3年前の議論が不十分だったことになります。極めて無責任なことだと言わざるを得ません。また、そのことは鎌倉市のイメージとは異なり、文化財を保全活用する足場も技術も思想も欠けていることを示すことにもなり、大変残念な事態にならざるを得ないとも思います。以下、討論原稿です。

「委員会審査の中で、(仮称)おなり子どもの家等実施設計修正業務委託料1千70万3千円の予算が大きな議論となりました。おなり子どもの家の整備については、工事中の5月に旧図書館であった建物の土台箇所等における構造材に、シロアリによる腐朽が確認されたことにより、現在に至るまで工事が一時中止となっています。

旧図書館のような歴史的建造物において、建材に何らかの腐朽(ふきゅう)が認められることは珍しいことではありませんが、問題はなぜ工事前にそうしたことが分からなかったのか、法的な面も含めて責任はどこにあるのか、そのことを調査し市民に明確にするよう6月議会・総務常任委員会において高野議員が厳しく指摘し、結果、「調査委員会」設置に至ったものです。最終報告書は今月27日の第7回委員会を経て確定するとのことであり、速やかにその内容について報告するよう求めるものです。

そのうえで、設計修正業務委託料について、これまでの設計業者を含め、どのような形で業者選定することが、おなり子どもの家の工事再開にむけて最も有効であるのかを慎重に検討し、今後の整備方針を明確にしたうえで、予算執行するよう強く求めるものです。

旧図書館については3年前の平成27年9月議会において、解体方針から保全活用に方針転換がされ、建物を子どもの家として整備することになりました。その背景には保全活用を求める大きな市民の運動がありました。今回の工事中断という事態を受け、改めて旧図書館の文化的価値を明確にし、その保全と子どもの家の建築が確実に両立できるよう責任ある取り組みを行うことが、現時点において、広範な市民に対する責任であると考えます。

そのためにも、工事再開に至るまでの間、現状の建物状態について専門的な見地から保全措置を取るとともに、そのことを市民に分かりやすく明示し、市民の理解を得るように努めなければなりません。「覆水盆に返らず」という言葉がありますが、歴史的建造物を保全し活かすという事業は本市にとって新たなチャレンジであります。専門家との連携を密にして、3年前の方針を揺るがすことなく事業を進めるよう申し上げるものです。」