会派視察に行ってきました
長野県長野市「保存樹木等樹木医診断・大規模剪定補助金制度」について
04年台風による土砂災害が市内で多数発生したことから、樹林の管理をいっそう推進することの重要性がクローズアップされています。
しかし、民有地の山林は、経費を費やしてまで維持管理するほどの有意性を得られないことから、所有者自らが積極的に充分な樹林管理を実施していないのが現状です。
ですから市独自に実施している古都法等の保全指定区域内の「樹林維持管理事業」への申請内容でも、ほとんどが宅地に接している自然林の枝払いや 伐採などの日常生活に対する支障対策にとどまっています。また、申請内容にすべて対応できる予算が確保されていないため、市内を6地区に分割し、1地区を6年に1度施行していますが、これにも市単独での対応に限界があります。
そこで、樹林管理を所有者任せにせず、計画的に樹木等の枝払い等を実施することが喫緊の課題となっております。
今回の視察は、この課題に関連する先進事例として、「長野市保存樹木等樹木医診断・大規模剪定補助金制度について」を調査研究することにしました。
この事業創設の経緯は、H16年5月、市街地の市道に高さ10㍍を越える樹齢300年ほどの指定保存樹林のケヤキ1本が市道に倒れ、人・車とも通行量の多い道路だったが、幸いにも人身事故に至らなかった事から始まります。
この倒木事故をふまえ長野市緑を豊かにする委員会に諮り、保存樹木の維持管理の見直し等について審議し、樹木医の診断費、大規模剪定費に対する補助制度の創設を答申し、市はH17年4月要綱を告示、その日から施行しました。
この補助金事業は、国、県、市道等の公道及び公共用地内(公園、学校その他の国又は地方公共団体が管理する土地)に倒木・枯れ枝の落下等の恐れがある保存樹木・保存樹林による事故を防止し、市民等の安全を確保するため、保存樹木・保存樹林を所有し、または管理している者(市税を滞納していない者に限る)の申請によって、樹木医による調査診断及び剪定、枯れ枝の除去等の大規模剪定に要する経費に対し予算の範囲内で補助金を交付するものです。
樹木医診断の補助対象経費・補助率及び限度額は、保存樹木・樹林の現地調査、外観診断、診断書作成等に要する経費の3分の2以内。但し、4万円を限度とし、大規模剪定の補助対象経費・補助率及び限度額は、樹木医診断に基づき行われる、倒木・枯れ枝の落下等を防ぐための剪定、枯れ枝の除去等に要する補助対象経費が5万円以上のもので、2分の1以内。但し、25万円を限度とするものです。この事業の財源は、県補助金「地域発 元気づくり支援金」より全額交付金でまかなわれています。しかし、申請した大規模剪定の補助をすべて実施するだけの予算の確保ができていないため、優先順となっている。
このように予算の制限があるが、鎌倉市内にも保存樹木・樹林等が指定されていることからも、同様の制度創設が必要ではないかと思います。
植木剪定材堆肥化事業を委託している(株)富士リバース工場等の現地調査 ![]()
鎌倉市の資源化率3年連続全国トップ(人口10万~50万人都市)になった要因の一つには、植木剪定材堆肥化事業があげられます。
この植木剪定材堆肥化事業の委託先は、平成16年度から継続して随意契約している(株)富士リバースという事業者です。この事業状況について富士山の山麓にある本社工場と富士ヶ嶺堆肥製造工場の2カ所を調査研究のため見学しました。
当初、この事業は、造園業者等や市民から収集した植木剪定材等を破砕・チップ化・攪拌・発酵などの作業を関谷最終処分場跡地を利用して実施してきましたが、搬入にともなう車両の振動・騒音や発酵にともなう悪臭の発生により、近隣住民から苦情が多数寄せられ、堆肥化は(株)富士リバースの本社工場(富士吉田市)に移転することになったものです。
この本社工場に搬入している県内自治体は、鎌倉市、三浦市、葉山町、茅ヶ崎市、厚木市、相模原市で、鎌倉市が最も大量に排出しています。(H19年度は約11,000㌧)
この委託事業の流れを概略説明すると、関谷の集積場に集めた植木剪定材をトラックに積み換え、本社工場へ運搬しています。この収集運搬は、「廃掃法施行規則第2条1項 市町村の委託を受けて一般廃棄物の収集運搬を業として行う者は、一般廃棄物収集運搬業の許可を要しない」に該当し、市の許可を得なくても良いことになっております。
次に本社工場でビニール袋や縛ったひもなどの異物を手作業で除去した後、機械で細かく破砕し、19㎜以下に篩い分けしたチップを富士ヶ嶺堆肥化工場に運び、半年間攪拌をくり返し、できあがった土壌改良剤を鎌倉市に運搬して市民に無料配布しています。但し、鎌倉市が排出した全量を市内で消費できないため、約3000㌧程度を戻しています。ここまでが委託事業の範囲になります。
残りの量は、この委託事業とは別に周辺の酪農家と連携して牛舎の敷きわらに提供し、牛糞尿と混ぜ合わせたこの敷きわらをJA堆肥化工場で2ヶ月間攪拌、発酵牛糞堆肥として本社工場で袋詰め、製品化、市場へと供給しています。
さらに現地では、地元の人を雇用して、この有機肥料を使って野菜等を試験栽培して製品研究開発に力を入れていました。そして、最初の破砕・篩い分けで残った大きいチップは、バイオマス燃料として製紙会社に供給しています。
このように、植木剪定材を土壌改良剤、有機肥料、バイオマス燃料にと有効に資源物の再利用を図っていることを高く評価するものです。
また、他の自治体からの引き合いが増え、新施設を計画中とのことでした。
日本の循環型社会と基幹産業である農業を支えているこれらの事業に、全国の自治体が地域毎の特性や事情に配慮しながらも、住民と協力して資源化・減量化にいっそう取り組むべきだと思いました。



