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第54回自治体学校に参加しました

7月21日から23日まで浜松市で行われた、自治体問題研究所主催の学習会に市議団4人で参加しました。議員の参加が多く(約半数)、全体で1000人を超える参加者でした。

1日目、全体会では パネル討論が行われ、学校給食や生活保護、商工業、福島原発の現場からの報告が行われました。コーデイネーターの傘木さんは対話、理解、協働でホンもモノの自治をとの立場で、みんなの話をつなげます。命、子どもの育ちが保障されず、自立、自助、共助の名で自己責任が進められている中で、地域からの協働の取り組みが大事であると感じました。

2日目、「山間地の村おこしに頑張る女性たち」の現地分科会に参加しました。

2005年に12市町村が合併した浜松市は2年後、政令都市になり、5年が経過しています。

旧天竜市は合併した浜松市の60%の面積があり、基幹産業であった林業の不振と少子高齢化や人口の流失によって一段と厳しい状況になっており、都市と山村の暮らしと経済の格差が広がっています。旧市町村単位の地域自治区は今年4月から廃止されてしまったとのこと。その中でも地域の資源を生かして頑張る女性たちに会いました。

天竜川の支流、阿多古川の源流。山間の小さな里、浜松市天竜区熊。地元では「くんま」といっています。

1955年に2512名だった人口は年々減少し、現在は715人。高齢化率50%です。地場産業の木材業が衰退し、農協支店の廃止、中学校の廃校など、社会的施設が廃止され、不便になり、地域が活力をなくしていく中で、昭和61年「熊地区活性化推進協議会」を立ち上げ、村おこし事業が行われてきたとのこと。62年には「くんま水車の里」グループが女性を中心に誕生。村おこしが進められてきました。かあさんの店 そばやを中心とした店。平成7年には「くんま道の駅」に認定。11年には「特定非営利活動法人を立ち上げ、生きがい、ふるさと部など多様な活動をしています。

私たちが訪れたのは日曜日、夏休みということもあり、子どもたちやオートバイツーリング客、などたくさんの人たちがおとづれていました。

山間の小さな村で女性たちが力を合わせ、頑張っていることは頼もしい。この頑張りが、この地で育っていった子供たちが青年になり、跡継ぎが生まれているとのことです。愛する地域、みんなでちからを合わせること、学校がない、銀行がないなど不便な地域ですが、心の豊か、自然の安らぎを感じました。

お母さんたちの手打ちの舞茸天ぷらそばはおいしかったです。

天竜区役所は県産の杉を使った庁舎です。

中に入ると木の香りがあり、ホットしました。浜松市は県産の杉等を50%以上使って作る家には30万の補助、県からは40万の補助が出るそうです。

また、区役所内には、木質パレットを使ったボイラーが設置されていました。

また、庁内の街路灯には太陽光と風力発電を設置しています。林業が衰退していますが、原発から自然エネルギーへの転換が重要になっている中、木質ペレット等のバイオマス活用、風力などでの町おこしが大事になっているのではないでしょうか。暮らしには不便な地域ですが、豊かな自然は宝物ですね。

さらに建設を中止した旧・国鉄佐久間線の廃トンネルを活用したワイナリー。これも地元の方々が廃トンネル利用を調査・研究した成果とのことです。

地元の資源を生かし、町おこしに頑張るみなさんに励まされました。

3日目の最終日は、浜岡原発のリスク管理を考える講演がありました。

講師の渡辺氏は現在停止中の浜岡原発の特殊性は今後30年間に88%の確率と推定される東海地震と原子力の構造的問題があると話されました。

震源と予測されるプレート境界の真上に浜岡原発があります。東北地方太平洋沖地震と同規模の地震が来た場合は発電所真下で地盤沈下おき、転倒する恐れがあるのです。2つの椅子に片方ずつ足を乗せていた場合、地面がずれれば、転倒する例示を話され、浜岡原発の危険性を話されました。

停止中といっても、使用済み燃料棒は冷却保管される必要があり、プールが壊れ、冷却機能が失われれば、爆発事故につかがる恐れがある。福島原発事故以上の事故が起こる確率が高いと話されました。

使用済み核燃料の処理技術は確立されておらず、原発ゼロの取り組みが必要だと改めて思いました。